こんにちは、ぐっちーです。
6月19日に第106回全国高等学校野球選手権茨城大会の抽選が行われました。
今回は第1シードである常総学院ゾーンの展望についてまとめていきます。
第1シード常総学院
秋、春と2季連続で優勝した常総学院がAシードの中での第1シードです。
なるか平成28年以来8年ぶりの夏の甲子園
今年は常総学院の1強状態といって間違いないです。
それだけ他校との力の差を感じています。
以下の表のとおり平成28年以降の春・夏・春の王者をまとめてみました。
春 | 夏 | 秋 | |
令和6年 | 常総学院 | ? | ー |
令和5年 | 常総学院 | 土浦日大 常総学院は準々決勝敗退 | 常総学院 |
令和4年 | 明秀日立 | 明秀日立 常総学院は2回戦敗退 | 土浦日大 |
令和3年 | 常総学院 | 鹿島学園 常総学院は決勝戦敗退 | 明秀日立 |
令和2年 | 開催なし | 独自大会 常総学院は準々決勝敗退 佐々木氏から島田氏に監督交代 | 鹿島学園 |
令和元年 | 藤代 | 霞ヶ浦 常総学院は準々決勝敗退 | 常総学院 |
平成30年 | 常総学院 | 土浦日大 常総学院は決勝戦敗退 | 常総学院 |
平成29年 | 明秀日立 | 土浦日大 常総学院は準々決勝敗退 | 明秀日立 |
平成28年 | 常総学院 | 常総学院 | 明秀日立 |
ご覧のとおり、常総学院は平成28年以降、春と秋にはコンスタントに優勝していますが、夏の大会では優勝できていません。
春は8回のうち5回優勝。秋は8回のうち3回優勝していますが、夏は8回のうち1回の優勝です。
夏の戦績
- 優勝1回
- 決勝戦敗退2回
- 準々決勝敗退4回
- 2回戦敗退1回
今回優勝できれば実に8年ぶりになります。
常総学院のチーム事情
常総学院の前置きが長くなってしまいましたが、今年は昨年からの主軸と投手陣が残っており本当に戦力が充実しているのと、他チームが例年より少し落ちる印象があるので絶対的に優位だと感じています。
投手陣
投手陣はエース右腕の小林芯汰投手を中心にタレント揃いです。
小林芯汰投手は最速148キロを誇る右の本格派でカットボールにチェンジアップと変化球の精度も優れています。2年生の時に最速150キロに迫ったのですが、投球過多がたたったのか、センバツ甲子園ではかなり球威が落ちていました。春の大会では球威を取り戻していましたが、2年生の時以上の球威には戻っていないと思います。歴戦の経験から、カットボールで急場を凌ぐテクニックが備わっています。体つきがかなり大きくなっていて、打つ方では5番を任され、関東大会では2本塁打を記録しました。小林投手は投げなくても打つ方で期待されますのでレフトでの出場が考えられます。
大川慧投手は右上から投げ下ろす長身投手です。最速は確認した試合では138キロでした。110キロ程度の大きく曲がる変化球が有効でした。明治大学に進んだ150キロ右腕・大川慈英投手の弟でもあります。
このほかに、左腕の平隼麿投手、共に右腕の鍛冶壮志投手、中村虎汰郎投手などタレント揃いです。
野手陣
野手陣はまず4番ファーストの武田勇哉選手がU-18日本代表候補に挙げられる注目選手です。182センチ87キロの恵まれた体格から遠くに飛ばす能力に長けていますが、バットコントロールが巧みで打率を残せます。春季県大会では5割以上打っていました。
また、1番セカンドの丸山隼人選手は足が魅力。茨城キリスト戦では2本の内野安打を放っていましたし、関東大会の東海大菅生戦でも内野安打を含む3安打と6点差を跳ね返す起点となっていました。
3番センターの池田翔吾選手はパンチ力があり右にも左に強い打球が打てます。春の関東大会・健大高崎戦では3安打の活躍でした。
最後にキャッチャーの片岡陸斗選手ですが、ピッチャーを乗せながら気持ちのこもったリードをしています。2021年に活躍した田邊広大捕手(日体大)がこんなタイプだったと思います。キャプテンシーにあふれているのでチーム立ち上げ当初はキャプテンだったと思いますが、いつの間にかキャプテンが若林佑真選手に代わっていました。かなりの回数タイムをとってマウンドに行くのですが、今後タイムの回数を制限されたら片岡捕手の良さが薄まってしまうかもしれませんね。
Bシード藤代
Bシードは藤代です。秋は水戸工にまさかの県大会3回戦敗退を喫しましたが、春は組合せに恵まれた感がありますが、8強入りを果たしました。
投手陣
左腕の一條尊琉投手は最速134キロとそれほど球速は出ませんが、高回転でホップする軌道が特徴で、三振を奪えます。120キロに満たないスライダーと105キロ程度のカーブ、チェンジアップも確認できました。
右腕の平井倭人投手は最速132キロですがアベレージは120キロ後半です。120キロ弱のスライダーがあります。
野手陣
4番キャッチャーの岡野公佑選手がチームの要です。打席での雰囲気がありました。4番でありながらしっかりと送りバントを決めていました。与えられた役割を果たす意識の高さが好印象です。
このほかに、日立北戦では6番レフトに入っていた岡崎陽斗選手が3安打2得点1長打と目立っていました。
藤代は今年も守れるチームに仕上がっています。強打という印象は受けませんでしたが、小技を絡めてコツコツと1点を狙いに行くいやらしさがあります。
Cシード土浦日大
Cシードは土浦日大です。秋は初戦となった2回戦で常磐大高に4対12と大差で敗れました。春は準々決勝で鹿島学園に1対3で敗れました。
投手陣
エース番号を背負うのは右腕の小島笙投手です。軟式オール茨城のエースとして期待された投手でしたが、入学当初は最速120キロも出ない非力ながら枠の中で勝負できることが売りの投手でした。その後どの程度伸びてくるのか注目していましたが、球速が飛び抜けて速くなることはありませんでした。春の大会で確認できたのは最速で133キロです。
春の地区代表決定戦・牛久栄進戦では初回に2つの四球と連打で3点を献上する苦しい投球が続き、5回途中で降板しました。県大会3回戦の下館工戦でも先発を任されましたが、4回1失点と圧倒的内容ではありませんでした。
昨年甲子園で4強入りを果たした投手陣(藤本、小森、伊藤)と比較するとかなり落ちることは否めませんが、先輩達を間近で見てきた小島投手です。人一倍努力して自分を追い込んでいるそうですので夏の飛躍を期待したいです。
投手陣の中では右腕の大井駿一郎選手が140キロに迫る一番活きの良いボールを放っています。県大会2回戦の山場となった明秀日立戦と、準々決勝の鹿島学園戦は大井投手が先発完投していることを考えると、ベンチの信頼度が高いことがうかがえます。変化球はフォークとスライダー、チェンジアップが確認できました。
笹沼隼介投手は右サイドハンドから最速133キロ。110キロ前後のスライダーが浮いてくる感じです。
野手陣
野手陣の話題も事欠きません。というのも、昨年セカンドとして甲子園に出場した中本佳吾選手はセンターにコンバートされました。さらに、ライトで出場していた大井駿一郎選手は先述の通りピッチャーで主戦登板する傍ら、ショートとして背番号6を付けてそつなくこなしています。
2番や4番を任される石﨑瀧碧選手はパワフルな打撃が持ち味。笠間市民球場では秋も春も長打を放ちました。マウスピースがトレードマークです。
梶野悠仁選手は2年生ながら中軸を任される強打者でちょっと楽しみな選手です。
Dシード常磐大高
Dシードは常磐大高です。秋は準々決勝で水戸一に0対1で敗れました。春は初戦となった2回戦で下館工に3対7で敗れました。
常磐大高の試合は秋2試合、春は見ることが出来ませんでした。春の下館工戦を見た人から聞くところによると、常磐大高は再三のチャンスで1本が出ず、下館工は1回のチャンスで畳みかけて逆転したそうです。
投手陣
右の本格派・山本孟康投手は140キロ近いボールを放ります。同じく右の本格派である2年生の沢畑壱心投手もタイプが似ていますが、落ちるボールを使っているように思いました。三振が取れる力のあるボールで来年が楽しみです。
ほかに春は加藤投手と木村投手が投げていますがフルネームは不明。
1年生に波崎ボーイズから入学した最速142キロの山本寛投手がいますので、夏にはメンバーに食い込んでくるかもしれません。
野手陣
秋に見た印象では、キャッチャーのパスボールが多くだいぶチーム作りに苦労していました。
補殺も厳しい印象で土浦日大にも水戸一にも走られていましたので、どの程度進化しているか注目して見たいと思います。
打つ方は山本孟康選手を中心として能力の高い選手が集まっています。県外からも選手集めをしている私立なんですから当たり前なのですが、出てくる選手出てくる選手みんなガッチリした体格です。
ノーシードの有力校
それではノーシードの有力校について触れていきます。
ノーシード爆弾・明秀日立
ノーシードの有力校としては、藤代の山にノーシード爆弾の明秀日立が入っています。
秋は霞ヶ浦に初戦となる2回戦で0対8の8回コールド負け、春は初戦は水城に6対4で勝ちましたが、2回戦で土浦日大に2対5で敗退。くじ運に恵まれずノーシード爆弾が爆誕してしまいました。
投手陣
投手は右の本格派のバット・アスマン友輝投手が秋も春もエースナンバーでした。体つきは申し分なく投手らしい体格ですが、最速は131キロと物足りません。カット系、ツーシーム系の変化球が確認できました。
このほかに矢口樹投手は右の本格派で最速141キロですが、ボールのバラツキがあります。球威的にはハマれば強豪校にも通用するのでしょうが、ファウルで粘られると根負けする印象です。
武内駿投手は左のスリークから125キロ前後の球威です。主に中継ぎを任されていますが、球威的に打てないボールではありません。
また、西岡蓮投手は右サイドハンドです。
野手陣
野手陣としては1番サードの佐藤虎太郎選手はパンチ力が魅力で走塁の意識が非常に高く出塁させたくない選手です。
3番キャッチャーの明石新之助選手、ファーストで4番の李汶勲(リブンシュン)選手、センターもキャッチャーもこなす野上士耀選手はもの凄いスイングをしており気が抜けません。
李汶勲選手は東大野球部を目指しているという記事がありましたよ。
楽しみな投手がいる古河三
常総学院の山の古河三は好投手がいます。
でっかいお尻がトレードマークの岡田毅平投手です。サウスポーで秋の最速は132キロでしたので、順調にいけば135キロは超えているでしょう。指先感覚が鋭く緩いボールも巧みに操れます。
ウェルネス
常磐大高の山には有力校のウェルネスが入っています。
設立当初から話題になっていましたが、いよいよ最初に入学した学年が3年生になります。
笠間市民球場で球場当番としてグラウンド整備している姿を見ましたが、うーん。
先生の言うことをしっかり聞く姿勢ができていませんでした。
噂話レベルですが、つくば秀英を辞めた選手がウェルネスに編入して140キロ投げるんだとか。面白さも込めて最後に挙げさせてもらいました。
所感
一発目に熱量を込めすぎました。次回2~4本目には同程度の熱量は期待できません。
コメント