こんにちは、ぐっちーです。
前回は2019年に愛好会が発足し、2021年に全国高等学校女子硬式野球選手権大会に出場した岩瀬日大女子硬式野球部について調べました。
今回は、岩瀬日大女子硬式野球部が発足した背景について勝手に分析していきたいと思います。
茨城県の中学部活動別加盟生徒数の変遷
まずはこちらの表をご覧ください。
日本中学校体育連盟が公表している加盟校・加盟生徒数調査集計表から、茨城県の男子中学軟式野球部員数と女子部員数、運動部加盟生徒の総数を抽出した表です。
この表を作るのにかなり時間がかかりました(^_^;)。
なお、岩瀬日大女子硬式野球部には軟式野球部出身者のほかにソフトボール出身選手も多くを占めていたため、参考に載せています。
女子軟式野球部員は21年で10倍以上に増化しています。
運動部員全体のうちの野球、ソフトボール人口の割合がどれくらいかもまとめました。
男子中学軟式野球人口の割合の推移として20年で半分になってるのって相当な危機的状況ではないですか。
それでは順に見ていきたいと思います。
男子軟式野球部員の推移
かつて1万人近くいた軟式野球人口が3,503人に減少
男子の軟式野球部員は2001年には1万人近くいたものの、21年後の2021年には3,503人と約3分の1まで減少しました。減少率にして62.5%です。
表2でいいますと、2001年に20人のうち3人いた野球部員が、2021年には20人のうち1.4人以下になっているということです。
特にグラフ2の2013年から2019年にかけての急降下っぷりは恐ろしくないですか。ここで野球離れが進行したものと思われます。個人的な雑感としてですが、2012年のロンドンオリンピックでの卓球女子団体と、2016年のリオデジャネイロオリンピックでの卓球男子団体、女子団体の活躍による卓球人気の向上が影響していると分析しています。
部活動の中で野球が選ばれなくなった
運動部員の総数も出生率の低下により当然減っていますが、それでも減少率は35%に止まっています。
これは、野球にとって大変ゆゆしき自体です。数値の上ではまさに斜陽スポーツですので何とかしなければなりません。
他の競技がメジャーになり競技人口が増えたことで、メジャースポーツであった野球が選ばれなくなってきていることを現しています。
30年ほど前に僕が中学野球部の時は、野球は何かと注目されて新人戦や総体に観戦に来る同級生の女子がいたものですが、今はそんなことはないようです。
部活動は上手くなれない?
教員の働き方改革に伴う部活動の改革問題、土日のどちらか半日しか練習(試合)が出来ない問題、毎週2日以上は部活を休みにしないといけない問題、夕方完全下校時間が設定されていてまともに練習時間を確保できない問題など、今の部活動が置かれている環境では問題ばかりで選手は十分に上手くなれないでしょう。
そんな中、学校によっては外部コーチを招へいして練習をより多くやっているところもありますが、それはレアケースです。
外部コーチに恵まれない学校の子が部活を選んでも、時間的にも存分に練習も対外試合もできないで、上手くなれない状況にあります。異論反論はありますし、僕だって軟式野球部を応援したい気持ちがありますが、本当にそうなんですから仕方ありません。総体を見てもかなりレベルが低いです。いや、酷いです。
軟式選抜トップチームは全国で結果を残している
一般的に軟式野球部は上手くなれないとは言っても、茨城では毎年中学2年生の10月に各地区で県北、中央、鹿行、県南、県西でセレクションを実施し、各地区で対抗戦をして競わせ、夏の全日本軟式野球大会に出場して結果を出すことは出来ています。現に今年も、夏は茨城県西選抜が夏の全日本で準々決勝まで進出しています。
さらに、各地区代表から選抜されてオール茨城が結成され、10月にはKボール大会で全国の強豪としのぎを削ります。
そんな中でも僕の周りで聞こえてくるのが、昔なら考えられないような選手が選抜メンバーに入っているということです。レベルの低下は致し方ありません。
硬式野球クラブが選ばれる理由
この21年間で中学校の部活動の軟式野球が減少してきたことは、硬式野球のクラブチームが一般的になってきたことも原因の一つと考えます。硬式野球団体が加盟人数を公表してくれていたら検証できるのですが、残念ながら見当たりませんでした。取手シニアが1学年で50人近くいるかたわらで、中学校の軟式野球部は人数不足で合同チームになっているのです。
「部活動は上手くなれない?」のところで触れたように、こんな時代だからこそ、硬式野球クラブチームが選ばれていると言えます。僕は中学の部活動出身でしたが、もしこの時代に小学生だったら、硬式野球のクラブチームを選んでいたと思います。
常日頃から思っていることなので、関係ないことで多くを語って長くなってしまいましたが、この話題は後日別の機会にすることとします。
女子軟式野球部員の推移
女子野球中心の話題で切り出したのに、軟式野球部員の減少を検証している内につい熱くなってしまいました。
話をもとに戻します。
女子の軟式野球部員は2001年には県全体で13人、一番少ない時で2005年には5人と非常に少ない規模であったものの、2021年には135人と21年間で10倍以上に増えています。
実際に僕が携わるチームでも各学年に1人以上の女子がいます。僕が小学生の時では考えられないことですよ。それが当たり前の光景なのです。
表2を用いて割合で言いますと、2001年から2006年までに運動部員1万人につき1人から2人であった女子の軟式野球部員が、1万人のうち26人に増えています。
片岡安祐美さんや稲村亜美さんのメディア露出
昔は野球は男子のスポーツであるという認識が世間一般にはありましたが、片岡安祐美さんや稲村亜美さん、加藤優さんのメディア露出や女子野球界の盛り上がりました。
さらに、僕も愛読している人気漫画の「メジャーセカンド」で中学女子軟式野球を描かれている影響もあり、毎年女子軟式野球部員は爆増しています。
参考に、表の右端には女子野球の主な出来事を暦年で記載しました。
女子プロ野球ができたり消滅したり、世界大会がニュースで流れたり、野球ユーチューバ-が女子選手とコラボしたり、甲子園球場で女子高生が決勝戦を戦ったりと、21年前には一般的ではなかった女子野球が、最近では話題になる機会が多いですね。
イチローさんと高校女子硬式野球選抜が対戦
また、11月3日に東京ドームで、イチローさん率いる「KOBE CHIBEN」と高校女子硬式野球選抜が対戦することが発表されました。松坂大輔さんも加わるそうで、盛り上がる事は間違い無いでしょう。
女子ソフトボール部員
女子ソフトボール部員は表1によると、2001年には899人でしたが、2021年には522人に減少しました。
しかし、表2のとおり、運動部員全体に占める割合としては2001年の1.15%から2021年の1.04%は微減であると言えます。ですから、ソフトボール離れが進んだとは言えません。むしろ、女子学童野球出身者の受け皿であったソフトボールに、女子軟式野球増加分の120人を加えると、元通りの1.27%になるため、野球・ソフトボールの女子の競技者の割合は変わっていないのかもしれません。むしろ、卓球人気の昨今においては、変わっていないこと自体が奇跡的なのではないでしょうか。
オール茨城女子
茨城では中学女子軟式野球部の選抜メンバー(オール茨城女子)を組んで毎年秋の全日本中学女子軟式野球大会に出場しています。
昨秋は第6回大会が行われましたが、女子ということでフルネームや出身中学などは掲載されない傾向にあるように思います。
2021年度の中学女子軟式野球部員135人の受け皿は
オール茨城女子に選出されたからといって、高校でも硬式野球をやろうという選手は稀です。
2019年に中学女子軟式野球で初優勝を飾ったオール茨城女子ですが、主力メンバーが日立市出身だったことも影響しているのかもしれませんが、高校での硬式野球挑戦は確認できませんでした。
そのほとんどが、高校ではソフトや他競技をやるみたいです。
もし僕の娘が岩瀬日大で硬式野球をやりたいといっても、それを了承するかといえば。。。了承しないでしょう(僕の娘は違う競技をしているので参考になりませんが)。
それでも、男女の関係なく白球を追う青春を選択するのは応援したくなりますね。
特に自チームの女子選手がとなると、関心具合がぐっと上がります。
女子を受け入れる硬式野球のクラブチームとは
参考にですが、又聞きレベルですが、中学硬式クラブで女子を受け入れているのは竜ヶ崎シニアだけのようです。
今回は、このブロクを読んでくださる方のほとんどが興味を持たない内容だったと思いますが、
女子高校硬式野球というレアなケースについて、茨城県での前提について調べてみました。
今後も疑問に思うことや知らないことは調べて掲載していきます。
コメント