6月19日に第106回全国高等学校野球選手権茨城大会の抽選が行われました。
今回は第3シードである水戸一ゾーンの展望についてまとめていきます。
第3シード水戸一
秋も春も4強入りを果たした水戸一が第3シードです。
投手陣
水戸一は、秋に最速140キロ超え右腕の小川永惺投手の活躍で4強入りし、21世紀枠関東推薦校にまでなりましたが、センバツでは選ばれませんでした。
春の小川投手をチェックしておきたかったのですが、公式戦では投げていません。準決勝まで勝ち残って1球も投げなかったので怪我をしていたのでしょうね。センバツに決まっていたとしても甲子園で投げられなかったのかもしれません。
知人によれば5月末のローカル大会で復帰登板したものの調子がいまいちで打たれたようです。夏に本気で甲子園を目指すには小川投手の復活が必須条件です。
春に小川投手の代役としてマウンドに上がったのが2年生右腕の古宮寛之投手です。準々決勝の藤代戦では延長11回タイブレークを1人で投げきりシンデレラボーイが爆誕しました。春の大会で2試合19イニングを投げて自責点わずか1、被安打9の防御率0.47です。
小川投手も古宮投手も特色選抜での入学とのことで、特色選抜1年目、2年目と着実に力のある選手の獲得に成功しています。
ただし、特色選抜で受験した力のある選手が不幸にも不合格だった場合は、茨城高校や茨城キリストに落ち着いており、水戸一の特色選抜導入でこの2校が恩恵を受けているという側面もあります。
野手陣
秋1番を打っていましたが、春に3番になっていた津田誠宗選手はハイグリップにトップをとって鋭いスイングで野手の間を抜きます。足があり攻撃の起点となるので要警戒です。
4番キャッチャーの秋田悠人選手は小川投手のスライダーのハーフバウンドを巧みにボディストップしていました。
チーム全体の攻撃力に関してはそこまで怖さは感じませんが、この2人が絡む得点パターンが多いです。
Bシード水戸工
Bシードは水戸工です。秋は準決勝まで進出する快進撃を果たしましたが、1対8で鹿島学園に8回コールド負け。春は初戦である2回戦で多賀に4対5で敗れました。
投手陣
チェックできたのは秋の準決勝1試合のみです。
右腕で2年生の吉田颯人投手はカーブとスライダーで打たせていく軟投派です。球威的なところはまだまだですがこれからに期待です。
野手陣
4番キャッチャーの高村逸輝選手は昨秋の茨城県選抜メンバー。打席での雰囲気を持った選手です。
5番ファーストの河野創真選手は昨秋準決勝で鹿島学園・中根健太郎投手の肩口から入る甘いカーブをライトスタンドにぶち込みました。
Cシード水城
Cシードは水城です。秋は準々決勝で常総学院に0対7の8回コールド負け。春は1回戦で明秀日立に4対6で敗れました。
投手陣
左腕の輿板投手が120キロ台中盤で、110キロ前後のスライダーと100キロのカーブがあります。
ショートの荒木選手がマウンドに上がり抑えとして135キロに迫るスピードボールを投げます。120キロ弱のスライダーのキレも良いです。
野手陣
僕が見たのが秋の準々決勝常総学院戦で、小林芯汰投手の144キロのボールに対し、8回3安打と打線が沈黙していました。このうち5番ファーストの高野颯選手が2安打でした。
Dシード下館工
Dシードは下館工です。秋は3回戦で竜ヶ崎一に6対13と8回コールド負け。春は初戦の2回戦で常磐大高を7対3で降すジャイアントキリングを果たしましたが、3回戦で土浦日大に1対4で敗れています。
投手陣
春の3回戦・土浦日大戦で3投手を見ました。
背番号1の小松拓真投手は右腕で最速122キロ。スライダー系が105~109キロ。
背番号10の左腕・中野鷹大投手は最速118キロ。
背番号11の右腕・関利恩投手は最速119キロと特段特徴があるとは言えない投手陣でした。
野手陣
5安打に抑えられた試合でしたが、4番の大山陸貴選手のライト前ヒットが鋭い当たりでした。
全体的にミスが少なくしっかり守れるチームという印象です。
シード漏れの有力校
シード漏れの有力校としては、水戸一の山に土浦湖北。水戸工の山に石岡一と岩瀬日大が入っています。
水城の山には関景介投手がプロ注目投手の太田西山と、取手一が入っています。
なかなかの玉石混淆ゾーンだと感じますよ。
守谷
春の3回戦鹿島学園戦を観戦しましたが、投打にバランスが取れた好チームの印象を受けました。順当に勝ち上がれば3回戦で水戸一と当たります。
エースで4番の佐藤匠選手とショートで3番の中島大輔選手が恵まれた体格でパワフルなクリーンアップを形成します。
中島選手は投手としても140キロ近いパワーボールを放ります。
石岡一
石岡一はBシード水戸工の山ですが、石岡一に分があるとみています。
右腕の大谷颯太投手は細身で最速124キロとキレで勝負するタイプです。
キャッチャーの石塚晴樹選手が140キロ超えの剛球を武器にストッパーで出てきます。
石塚選手はスイングも力強く魅力のある選手です。
取手一
取手一がCシード水城の対抗馬になろうかと思います。
右腕の渡邊悠歩投手とサードの豊島生将選手は共に123キロ程度のストレート。
守備陣は投手のリリースに合わせて「ハイッ」と声を出し、打者のインパクトに合わせてスプリットステップをしていました。
野手陣はかなり体が仕上がって打力は平均点よりもかなり上のほうなので、多少の失点は織り込み済みの上で、打ち合いで制していくしかないのかなと思います。
太田西山
Cシード水城に最初に立ちはだかるのが太田西山になると予想します。
部員14人の公立高校に現れた剛腕の関景介投手が大会注目選手に挙げられます。最速は145キロ。カットボールが絶品です。ちょっと別格だと思います。
春の地区予選は試合中に爪が割れてしまい、点差も離れていたので途中降板したところまさかの大逆転負けで県大会に出られませんでした。
夏は大暴れすることを期待してます。
牛久栄進
Aシード水戸一との対戦をかけて1回戦で土浦湖北と対戦します。
右腕の夲多(ほんだ)旺輔投手はコンパクトにトップを作って小気味良く130キロ超えのストレートを投げ込む右腕です。
春の地区予選代表決定戦では土浦日大打線をきりきり舞いさせました。
もしエラーがなければ牛久栄進が県大会でした。
エラーで2点を献上した後に逆転ホームランを打たれはしましたが、間違いなく力のあるピッチャーです。
1回戦の土浦湖北との戦いは注目カードですよ。
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